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専門職大学院経営分野認証評価基準

はじめに

ABEST21は、平成18年7月2日、ABEST21の事業活動の一環として、ビジネススクールのマネジメント教育の質の維持向上を目指したABEST21認証評価基準の基本を制定した。ABEST21は、ABEST21認証評価基準の基本に基づいて、わが国の経営分野の専門職大学院の認証評価を行うために、文部科学省制定の「専門職大学院設置基準」に準拠した「専門職大学院経営分野認証評価基準(以下「評価基準」という。)」を制定した。わが国経済のグローバル化の加速度的な進展により、国際競争場裡での活躍が期待される経営分野の高度専門職業人の養成は急務となっている。ABEST21は、経営分野の専門職大学院の認証評価に際して、評価基準に「基本視点」と「細目視点」を設け、基本視点により認証評価に向けての「事前自己点検・評価」を実施し、細目視点に基づき、より詳細にまた具体的に「自己点検・評価」を実施していくことにより、専門職大学院の教育研究の質の維持向上に努めていく。

第1章 教育研究上の目的

基準1:教育研究上の目的
[基本視点]
認証評価を申請する専門職大学院(以下「申請大学院」という。)は、教育研究の活動の意思決定の指針となる教育研究上の目的を明確に定めていなければならない。教育研究上の目的は、現代の経済・社会・文化のグローバル化、高科学技術化、情報化及び環境保護の時代的要請に応えた人材養成の教育研究上のミッション(mission)である。従って、申請大学院は、教育研究上の目的を、ステークホルダー、例えば、教員、職員、在籍学生、修了生及び企業等組織等の意見を聴取するプロセスによって明確に定め、定期的な検証及び改正を行い、学則等に周知公表していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教育研究上の目的をステークホルダーの意見を聴取して定めていくプロセスを明確にしているか。
  2. 教育研究上の目的は、「高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培う」という学校教育法第65条第2項の規定から外れるものではないか。
  3. 教育研究上の目的は、国際的に活躍できる高度専門職業人養成に配慮したものとなっているか。
  4. 申請大学院は、教育研究上の目的を定めていくプロセスを定期的に検証できる仕組みとなっているか。
  5. 教育研究上の目的は、申請大学院が発行する印刷物等、例えば、学則、入学案内、授業要覧及び履修要綱等に、また、ホームページに掲載されているか。
基準2:教育研究上の目的達成の重要な要素
[基本視点]
申請大学院の教育研究上の目的は、経営分野の高度専門職業人養成に重要な要素を含む内容のもので、申請大学院の属する組織である大学の教育研究上の目的に適合していなければならない。
[細目視点]
  1. 教育研究上の目的は、経営分野の組織のマネジメントに重要な高度の専門知識・技能及び基礎的素養を修得する内容ものとなっているか。
  2. 教育研究上の目的は、学生のキャリア形成に寄与する内容のものとなっているか。
  3. 教育研究上の目的は、教員の研究活動等に貢献する内容のものとなっているか。
基準3:教育研究上の目的の継続的な検証
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的を定期的に検証していくプロセスを定め、教育研究環境の変化に対応して教育研究上の目的を見直していかなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教育研究上の目的を継続的に検証していくプロセスを確立しているか。
  2. 申請大学院は、教育研究上の目的を継続的に検証していくために必要な基礎資料及びデータ類の情報収集及び管理の体制を整備しているか。
  3. 申請大学院は、教育研究上の目的を継続的に検証していく組織的な取組をしているか。
  4. 申請大学院は、教育研究上の目的を継続的に検証していくために、ステークホルダーの意見を聴取する機会を設けているか。
基準4:財務戦略
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のために、必要な予算を確保する短期的及び長期的な財務戦略を有していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教育研究上の目的達成に必要な財政的基礎を有しているか。
  2. 申請大学院は、教育研究上の目的達成に必要な資金獲得の財務戦略を立てているか。
  3. 申請大学院は、教育研究上の目的達成に必要な予算措置をしているか。

第2章 教育課程等

基準5:学習目標
[基本視点]
申請大学院は、教育課程を体系的に編成し、イノベーションと知見、グローバル事業及び科学技術の普及等といった要素を含む明確な学習目標を定めていなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、シラバスにおいて学習目標を明確に定め、学生に周知公表しているか。
  2. 申請大学院は、学生の授業科目の履修に対して、履修指導指針を定め、履修相談に応じる配慮をしているか。
  3. 申請大学院は、学生の学習目標の達成のために、学生、教員及び職員の間のコミュニケーションに十分な配慮をし、学習相談及び学習助言の円滑化を図る方策をとっているか。
基準6:教育課程
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のために、教育課程の体系的な編成をしていなければならない。申請大学院は、教育課程を編成するプロセスを有し、絶えず検証していかなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、理論的教育と実務的教育の架橋に留意して、教育研究上の目的及び授与する学位に照らして、教育課程の体系的な編成をしているか。
  2. 申請大学院は、教育研究上の目的に照らして、経営分野の高度専門職業人養成に必要な専門的知識・技能の修得、高度の職業能力の修得、職業倫理観の涵養及び国際的視野の拡大を目指した教育課程の編成に志向しているか。
  3. 申請大学院は、教育研究上の目的に照らして、経営分野の高度の専門職業能力の修得に不可欠なコア科目の配置に配慮しているか。コア科目として、例えば、「企業経営の経済学」、「組織行動」、「統計分析」及び「企業倫理とコンプライアンス」等の科目を、また、コア科目の教育に基づく基本科目として、例えば、「マネジメント」、「マーケティング」、「アカウンティング」、「ファイナンス」及び「経営情報システム」等の科目を配置しているか。また、情報分野においても、コア科目として、例えば、「情報システム」の科目を、また、基本科目として「インターネットビジネス」、「インターネットガバナンス」、「ITソリューション」、「ウエッブ戦略」や「情報セキュリティ」等の科目を配置しているか。
  4. 申請大学院は、教育課程の体系的な編成に際して、経営分野の教育研究の動向あるいは実務の傾向に配慮したものとしているか。
  5. 申請大学院は、教育課程の編成において、例えば、他研究科の授業科目の履修、他大学との単位互換、インターンシップによる単位認定等の措置を講じているか。
  6. 申請大学院は、教育課程の編成において、事例研究、現地調査、双方向又は多方向に行われる討論又は質疑応答その他の適切な授業の方法を導入しているか。
  7. 申請大学院は、多様なメディアを高度に利用して通信教育の授業を行う場合には、授業の実施方法の整備に努め、教育効果の向上に努めているか。
基準7:教育水準
[基本視点]
申請大学院は、教育課程において学生の学習目標を明確に定め、学習目標の達成を保証する学習環境及び学習指導体制を整備していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教育課程において学生の学習目標を明確に定め、教育内容の水準を定めているか。
  2. 申請大学院は、学習目標の達成に必要な学習環境を整備しているか。
  3. 申請大学院は、学生の履修科目の成績評価の基準及び教育課程修了の判定基準を学則等に明確にし、学生に周知公表しているか。
  4. 申請大学院は、成績評価、単位認定及び課程修了判定を公正に実施し、客観性と厳格性を維持する措置を講じているか。
  5. 申請大学院は、科目履修登録の学生数を、授業の方法、施設設備及びその他の教育上の諸条件を考慮して、授業の教育効果が十分に得られる適正数としているか。
  6. 申請大学院は、学生の多様性を踏まえて、学生に対する履修指導、学習相談及び助言等を適切に行っているか。また、通信教育を行う場合には、そのための学習支援及び教育相談を適切に行っているか。
  7. 申請大学院は、授業開講科目の授業目的、授業概要、授業計画、授業方法、使用教材、オフィスアワー及び授業評価基準等を明記したシラバスを作成し、公開し、教育効果の向上に結びつく活用をしているか。
  8. 申請大学院は、学生の科目履修、授業出欠、単位取得及び学業成績の状況等についての情報を教員間で共有し必要な対策を講じているか。

第3章 学生

基準8:求める学生像
[基本視点]
申請大学院は、申請大学院の教育課程の教育を受けるに望ましい志願者層に対して、入学者選抜を受ける公正な機会を提供していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、入学志願者に対して申請大学院の求める学生像を明確に示しているか。
  2. 申請大学院は、入学者選抜において申請大学院の求める学生像の学生を実際に入学させているか。
  3. 申請大学院は、経営分野のグローバル化に対応して多様な知識または経験を有する者の入学に努めているか。
基準9: アドミッション・ポリシーと入学者選抜
[基本視点]
申請大学院は、アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)を明確に定め、周知公表していなければならない。また、申請大学院は、アドミッション・ポリシーに従って、入学者選抜において入学者の適性及び能力等を客観的かつ厳格に評価していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院のアドミッション・ポリシーは、申請大学院の教育研究上の目的を達成する内容のものとなっているか
  2. 申請大学院は、アドミッション・ポリシーにおいて申請大学院の教育の理念、教育研究上の目的、設置の趣旨、求める学生像、入学者選抜の方法及び教育研究の活動状況等を明確に定め、印刷物等に明確に記載し、入学志願者に周知公表しているか。
  3. 申請大学院は、入学者選抜において、申請大学院の教育を受けるに必要な入学者の適性及び能力等を客観的に厳格に評価し、入学者選抜を公正に実施しているか。
  4. 申請大学院は、入学者選抜において、実入学者数が入学定員を大幅に超える、又は大幅に下回る状況になっていないか。また、その場合には、これを改善するための取組を行うなど入学定員と実入学者数との関係の適正化を図っているか。
基準10:学生に対する経済的及び職業支援
[基本視点]
申請大学院は、学生が教育課程の授業の履修に専念できるよう、学生支援体制を整備していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、経済的支援を受ける学生のために、多様な措置を講じているか。
  2. 申請大学院は、学生の志望や能力に応じた進路の選択やキャリアの形成が適切にできるよう必要な情報の収集・管理・提示や相談を行う体制を整備しているか。
  3. 申請大学院は、学生が在学期間中の学業継続に専念できるよう、学生に経済的支援及び修学や学生生活に関する相談・助言などを行なう支援体制を整備しているか。
  4. 申請大学院は、特別な支援を必要とする留学生及び障害のある学生等に対して学習支援及び生活支援等を適切に行っているか。
基準11:教育研究の質保証のための取組)
[基本視点]
申請大学院は、経営分野において国際的に通用する高度の専門職業能力を修得した学生を社会に輩出していくために、教育研究の質の維持向上を図る取組をしていなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、履修科目の単位修得、教育課程の修了及びその他資格取得の状況等から、学生の授業評価の結果から、修了後の進路の状況等から、また、ステークホルダーの意見聴取の結果から、申請大学院の教育研究上の目的達成を検証しているか。
  2. 申請大学院は、自己点検・評価の結果を広く社会に公開しているか。
  3. 申請大学院は、自己点検・評価の結果をフィードバックし、教育研究の質の維持向上及び改善を図る組織的な取組をしているか。
  4. 申請大学院は、自己点検・評価の結果に基づくファカルティ・ディベロップメントを組織的に実施しているか。申請大学院は、ファカルティ・ディベロップメントにおいておおむね5年以上の実務経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有するもの(以下「実務家教員」という。)の教育上の指導能力の向上及び学術教員の実務の理解の向上に、それぞれ努めているか。
  5. 申請大学院は、ファカルティ・ディベロップメントを教育の質の維持向上及び改善に結びつけた措置を講じているか。
  6. 申請大学院は、履修科目の履修登録上限を設定し、単位修得の実質化への取組をしているか。
  7. 申請大学院は、学生の科目履修の効果を高める科目配置の時間割設定を行っているか。
  8. 申請大学院は、標準修業年限を短縮している場合には、教育研究上の目的に照らして、十分な教育成果が得られる教育方法及び授業時間割設定の配慮をしているか。
基準12:学生の学業奨励
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のために必要な学生の学業奨励の取組をしていなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、優秀な学業成績を上げた学生を報奨する制度を整備しているか。
  2. 申請大学院は、学業継続の困難な学生に経済的支援や学習支援等の相談を行う体制を整備しているか。
  3. 申請大学院は、学生の学業奨励の一環として、例えば、入学時や新学期の開始前、また、教育課程の変更時にオリエンテーションを実施する機会を設けているか。

第4章 教員組織

基準13:教員組織
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のために必要な教員組織を整備していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、専門職大学院設置基準に求められる教育上必要な専任の教員を任用しているか。
  2. 申請大学院は、教育課程の教育研究上の目的達成に必要と認められる授業科目に必要かつ十分な専任の教授又は准教授を任用しているか。
  3. 申請大学院は、開講する授業科目について高度の教育上の指導能力があると認められる下記の各号に該当する専任の教員を、専攻ごとに「文部科学大臣が別に定める数」(平成15年文部科学省告示第53号第1条。以下同じ。)を置いているか。
    (1)専攻分野について、教育上又は研究上の業績を有する者
    (2)専攻分野について、高度の技術・技能を有する者
    (3)専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
  4. 申請大学院は、専任教員の数のおおむね3割以上を実務家教員として置いているか。
基準14:教員の資格
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のために必要な教育上の指導能力を有する教員を確保していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教育研究上の目的達成のために必要な教育上の指導能力を有する教員を確保しているか。
  2. 申請大学院は、専任教員の最近5年間の教育研究業績等により、教育研究上の目的達成のために必要な教育上の指導能力を有する教員を定期的に評価しているか。
  3. 申請大学院は、専任教員の最近5年間の教育研究業績の資料を開示しているか。
  4. 申請大学院は、教員の教育研究上の目的達成のために必要な教育上の指導能力を有する教員の任用及び昇任に関する規則及び基準を定めているか。
  5. 実務家教員は、実務家教員の実務経験に適した授業科目の担当がなされているか。
  6. 申請大学院は、実務家教員の実務経験について定期的な評価をしているか。
基準15:教員に対する教育研究支援
[基本視点]
申請大学院は、教員の教育研究活動の推進のために必要な教育研究環境の整備をしていなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教員の教育研究活動の推進に必要な教育研究環境を整備するプロセスを定めているか。
  2. 申請大学院は、教員の教育研究活動の推進と教員の授業担当時間数との関係について、適切な範囲内に止めるように配慮しているか。
  3. 申請大学院は、教員の教育研究活動の推進に必要な資金調達の措置を講じているか。
  4. 申請大学院は、教員の教育研究活動の推進に必要な事務職員及び技術職員等の支援体制を整備しているか。
  5. 申請大学院は、教員の教育研究活動の推進に必要な教育課程の活性化を図る適切な措置を講じているか。
基準16:教員の任務
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のためにステークホルダーとの意思疎通の関係を維持し、教員に学術研究の推進を求め、教育研究上の目的達成を図る授業の実現を求めていかなければならない。
[細目視点]
  1. 教員は、自己点検・評価及び学生の授業評価の結果に基づいて、授業の内容、使用教材及び授業方法等の改善を継続的に行っているか。
  2. 教員は、学生の学習到達目標の達成のために絶えず新しい専門的知識や技能の教授に努めているか。
  3. 教員は、学生の学習到達目標の達成のためにオフィスアワーの設定及び電子媒体等を通じて学生との対話を積極的に図り、学生の学習指導に努めているか。

第5章 管理運営と施設設備

基準17:管理運営
[基本視点]
申請大学院は、教育研究上の目的達成のために、教員の教育研究の活動を適切に支援していく管理運営の体制を整備していなければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、教育研究上の目的達成のために必要な申請大学院の管理運営に関する事項を審議する教授会及び委員会等を設置し、審議事項を尊重し、教育研究環境を改善していく体制を講じているか。
  2. 申請大学院は、申請大学院の設置形態及び規模に応じた管理運営の事務体制を組織しているか。
  3. 申請大学院は、申請大学院の教育研究上の目的達成のために、教員の教育研究活動を支援する任務を果たす規模と機能を持った管理運営の組織を設けているか。
基準18:施設支援
[基本視点]
申請大学院は、申請大学院の教育研究上の目的達成のために、教育研究の施設及び設備等を整備していななければならない。
[細目視点]
  1. 申請大学院は、申請大学院の授業の効果を高める教室、演習室及び実習室等の施設及び設備等を質的にも量的にも整備しているか。
  2. 申請大学院は、各専任教員に対して個室の研究室を用意しているか。
  3. 申請大学院は、図書、学術雑誌及び視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料を系統的に収集しているか。
  4. 申請大学院は、申請大学院の教育研究組織及び教育課程に応じた施設及び設備を整備し有効に活用しているか。
  5. 申請大学院は、学生の自主的な学習に対する学習環境を十分に整備し、学生の利用に供しているか。

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